プロジェクトストーリー
一人ひとりの社員が参加したプロジェクトを追体験する「プロジェクトストーリー」。
今回は、MLOpsを用いた2つのプロジェクトを紹介する。
MLOpsは、機械学習(ML)と運用(Operations)を組み合わせた造語で、MachineLearning版のDevOpsだ。MLをビジネス適用するために必要な開発~分析~運用を効率化するための手法を指す。NTTデータ インフォメーションテクノロジーでは、MLOpsを用いてさまざまな成果を上げてきた。エンジニア歴20年超のL.X.が担当してきたプロジェクトでは、大手メーカーの倉庫から出荷する荷量を推測して、日々の物流量を計算できるようにした。結果、毎日、適切な量のトラックを準備することができ、物流業界のドライバー不足の負担削減につながっている。
一方、K.H.が目下進めている小売業でのプロジェクトは、AI発注システムの開発だ。店員や店長個人の推測ではなく、統計データに基づいた発注をAIが行うことで、商品の過不足が生まれないようにする。これらは、店舗を利用するお客さまが買いたいもの買いたい時に買えるように在庫が残っているようにすることにはじまり、広い目線で言えば店舗の損失減やSDGs活動における食品ロスの削減にもつながる。
L.X.「私はテクリーダー(Technology-Leader)とアーキテクチャ設計を担当しました。メンバーは10名以下の少数精鋭。最初は研究開発(R&D)で各技術やツール群を検証してプロトタイプを開発し、のちにアセット化し、OSS(オープンソースソフトウェア)や各種のパブリッククラウド(aws/azure/gcp)へ迅速的にデプロイできるよう仕上げる。一方で、K.H.さんが開発メンバーとして参加しているプロジェクトには50名以上が参加しており、プロトタイプではなく商用レベルを求められます。同じ会社でも、プロジェクトによって、やっていることが異なるのは楽しいポイントでもあります」
K.H.「私の参加しているプロジェクトにはNTTデータグループ以外の企業もメンバーに入っており、独特の雰囲気があります。ライバル社でもあるわけですから、当社の能力を示すようにいい仕事をしなければならないという気負いもあります」
L.X.にとって、K.H.は自身がトレーナーを務めた新人。「成長を見守るのがうれしい」と話す。一方で、自分の成長にも貪欲だ。
L.X.「これからもAIの最先端に触れていたい、という思いがあります。それを用いて、世の中の役に立つアイデアを出す。それがエンジニア冥利というものでしょう。最近、興味を持っているのはLLM(大規模言語モデル)です。直近はChatGPTを利用していろんなユースケースを探索しています。」
K.H.は、そんな上司の背中に刺激を受けながら、小売業のプロジェクトを進めている。
K.H.「親会社であるNTTデータを通じて、大きなプロジェクトに参加することができるのがうれしいです。また、そこで開発したシステムが全国で運用されると考えると、やりがいを感じます。メンバーも革新的なアイデアを持っている人ばかりで、システムの冗長箇所を特定したり、効率化の提案を行うなど、鋭い視点にハッとなります」
4年目の中堅社員として活躍するK.H.。リーダー層や管理層の補佐役も果たすようになった。
K.H.「4年間、当社で仕事を続けられている理由は、無言の圧力で残業するようなことがないからです。むしろ、『稼働が目一杯になりそうになったらスケジュール調整をしますので、残業で解決せずに相談してください』とリーダーが言うような職場です。だからこそ、自分も期待に応えたいと日々の仕事に注力できるんです」
ベテランも中堅社員も躍動している。そして、その姿を見て、新人が育っていく。システム開発のなかには人間が存在し、大小のドラマが日々、生まれているのだ。